~弱者が生み出す正攻法~ 戦術〇〇② 富山編(後編)
今季戦術マブンガを駆使し、躍進を遂げた富山。
今回は富山の来季を占ってみます。
戦術マブンガに必要なもの
そもそも戦術マブンガをする上で必要なものは何なのでしょうか。
今季の富山を振り返って考えてみましょう。
・マブンガ(マブンガ)
これはまあ当たり前ですね。
・マブンガにロールマンをさせるセカンドプレーメイカー(宇都、岡田)
京都時代は伊藤選手や寺嶋選手などがこの役割でしたが、単純に得点能力が増しました。
・3Pシューター(前田、松脇、水戸)
京都時代はここは内海選手、松井選手、岡田選手、晴山選手辺りでしたかね?
・インサイドで戦える外国籍選手(スミス、ソロモン)
京都時代はサイモン選手ですね。
向こうでもNBA選手が捕まってますが大麻って流行ってるんですかね。見習いたくはない文化だ。
・日本人枠でインサイドで戦えるストレッチフォー(橋本)
京都時代は永吉選手ですね。
ここら辺りが必要になってきます。
3Pシューターに関しては動き回る必要はなく、むしろしっかりシュートスポットにいることができればいいというのも特徴です。
では、来季のロスターを見てみましょう。
富山のロスター変遷
敬称略
残留
宇都
山口
水戸
阿部
スミス
マブンガ
新加入
KJ松井
晴山
小野
上澤
飴谷
※上澤、飴谷両選手は特別指定からの本契約
移籍
前田
松脇
岡田
城宝
橋本
外国籍選手をもう1人連れてくるイメージでしょうか?
若手3人が抜けたことは大きく騒がれ、しばしば「富山は終わった」だとか、特に「岡田や前田は絶対に出してはならなかった」と言われています。
果たして本当にそうでしょうか?
富山は来季勝てないチームなのでしょうか?
確かに前田岡田のどちらかは残せたのではとも思いますが、前田岡田(松脇)の各選手がこのチームのマスターピースだとは思わないんですよね。
以下に富山が来季も勝てるのではと思う理由を示してみます。
①マブンガと宇都を残せた
このチームの核であるマブンガ選手、そしてチームの顔でセカンドハンドラーを今季高いレベルでこなした宇都選手は残留させることができました。
マブンガ選手の移籍はないだろうと考えていましたが、宇都選手を残せたのは大きいと思います。個人的には岡田選手と前田選手よりもチームでの役割は大きく、替えの利かない役割を担っていたと思っていますので。
と、いうのもハンドラーという点で宇都選手は岡田選手と被りますが、ゲームメイクの能力においては岡田選手に宇都選手は勝ります。
これはPGをこなしてきた経験がものをいうところであるのである程度は仕方のないことなのですが、それでもマブンガの代わりを岡田にするのか宇都にするのかどちらか選べと言われると、私は宇都選手を選びます。
ですので、正直誰が抜けようとマブンガ宇都を残せたのだから富山は十分と思っています。
サードハンドラーとして阿部選手も残せましたしね。
②シューター陣は代わりが用意できた
シューター陣では特に4割近い成功率を誇った前田選手が抜けたのはかなり痛いのは事実です。
しかし、その代わりは用意できました。
松井啓十郎選手
20-21シーズンスタッツ
52試合(スタメン13試合)
平均22分出場
得点…8.2点
リバウンド…1.9本
アシスト…1.1本
ターンオーバー…0.7本
3P成功率…41.5%
FG成功率…43.2%
松井選手が前田選手より上の選手、とは言いません。
しかしキャッチアンドシュートを打つ能力に関してはかなり高いものを持っています。
マブンガと組んでいた19-20シーズンでは47.2%の3P成功率を残しましたし、相性も悪くないでしょう。
松脇選手がこなしていた所謂3&Dの枠には晴山選手が加入しました。
こちらも滋賀で3Pを39.0%成功させており、シューターとしては申し分ないでしょう。
マッチアップ相手は恐らく松脇選手とは異なりますが、シュート力という点では補強になったと言えるはずです。
若手が抜けたことが痛いと思われる方も多いでしょうが、富山は特別指定で加入させていた上澤、飴谷の両選手と本契約を結びました。
特に、マルチディフェンダーでありながら大学時代は時にハンドラーもこなした飴谷選手が来季どのような役割を果たすのかは非常に楽しみなところです。
③その他の理由と結論
橋本選手の部分も小野選手を獲得して上手く穴埋めをしたように思いますし、富山は流出が騒がれる割にうまく立ち回ったとみています。
結論としては
・流出は痛い、若手トリオは何人かに絞って残すことはできなかったとは思う
・ただ、核の部分はきちんと残せた
・シューター部分に関してはマルチさは失ったがシュート力は上げることができたのでは
よって、マブンガと宇都に頑張ってもらいましょうというのが来季の富山の方針でしょうし、間違った方向でもないと思います。
来季西地区に移動になる富山。
今季の躍進は再び起こるのか見ていきたいところです。