変革の名古屋D
今季の名古屋について語ってみようと思います。
齋藤拓実選手と狩野祐介選手
今季の名古屋の象徴となったのはこの2人でしょう。
共に滋賀から今季移ってきた齋藤選手と狩野選手は申し分のない成績を残しました。
齋藤選手
20-21シーズンスタッツ
55試合(スタメン55試合)
平均26分出場
得点…12.5得点
リバウンド2.1本
アシスト…5.7本(5位、日本人1位)
ターンオーバー…2.2本
3P成功率…35.3%
FG成功率…50.1%
文句のつけようがない成績です。特にFGが50%を超えている点は特筆すべきものだと思います。もし名古屋がCSに出れていたら、ベスト5に名を連ねていたのではないでしょうか?
ドライブで積極的にインサイドに切り込み、得点を重ねる齋藤選手が安藤選手を「消した」要因の一つだったかもしれません。少なくとも齋藤選手によっていくつかの役割は失ったでしょう。
狩野選手
20-21シーズンスタッツ
56試合(スタメン40試合)
平均19分出場
得点…5.3得点
リバウンド0.9本
アシスト…1.3本
ターンオーバー…0.4本
3P成功率…47.5%(1位)
FG成功率…46.5%
高確率で3Pシュートを沈め、3Pのタイトルを獲得しました。
キャッチアンドシュートを多用したため、ターンオーバーも少なめです。
狩野選手に限らず、齋藤選手からのキックアウトパスなどから3Pシュートを多投する試合が今季の名古屋は増加しました。張本選手などはその恩恵を大きく受けたと言えるのではないでしょうか。
外国人選手の3Pの本数も
19-20シーズンが
4人合計…13/52(25%)だったのに対し
20-21シーズンは
3人合計…152/404(37.6%)にまで変化しました。
インサイドにドライブしていく齋藤選手に合わせた仕様に外国人の陣容も変化させていたことがわかります。
そしてこれらの改革を講じた結果名古屋はCSこそ逃しましたがチームとしてはこれまでで最高勝率となる32勝24敗の成績を残しました。
恐らく名古屋は今季の戦いに一定の手ごたえを感じているはずです。
では、それによって割を食ったのは誰なのか。
笹山貴哉選手について
19-20シーズンスタッツ
38試合(スタメン36試合)
平均24分出場
得点…9.7得点
リバウンド2.5本
アシスト…4.4本
ターンオーバー…1.9本
3P成功率…33.5%
FG成功率…38.4%
20-21シーズンスタッツ
38試合(スタメン1試合)
平均15分出場
得点…5.8得点
リバウンド1.5本
アシスト…3.0本
ターンオーバー…1.1本
3P成功率…31.5%
FG成功率…35.6%
まず一人目は笹山選手。
齋藤選手の獲得もあり、控えに回りました。
結果、確率も含めスタッツを落としてしまいました。齋藤選手とは異なりFGの試投の半分以上が3Pシュートというのが特徴で自分からドリブルで切り込むことの少ない選手ですが、差し引いても低確率なことが今季は気にかかりました。
何よりも今年は38試合出場にとどまり、怪我にも苦しめられました。
おそらくプレータイムを求めての移籍ということになるでしょう。
安藤周人選手について
19-20シーズンスタッツ
39試合(スタメン39試合)
平均27分出場
得点…11.6得点
リバウンド2.1本
アシスト…2.5本
ターンオーバー…1.5本
3P成功率…33.2%
FG成功率…41.0%
20-21シーズンスタッツ
51試合(スタメン42試合)
平均25分出場
得点…8.9得点
リバウンド2.3本
アシスト…2.0本
ターンオーバー…1.2本
3P成功率…35.9%
FG成功率…42.7%
二人目、と言いたいところですが、こちらは少し興味深いスタッツです。効率という面を見れば昨季よりは向上を見せました。
ただ、名古屋の試合を見ている人からすればかなり物足りなく映っていたのではないでしょうか。安藤選手に関しては試合中に「消える」ことが大幅に増えたように感じていました。
そして安藤選手はA東京への移籍が決まりましたね。
新たな時代へ
名古屋は17-18、18-19はCSへの出場も果たしていました。
中堅どころの有望な若手を抱えたチームと言われていたように感じます。
その中心だったのが笹山選手、安藤選手、張本選手や中東選手であったように感じます。
しかしあの頃有望だった若手は今や中堅どころの年齢となりました。
彼らはチームを常勝軍団へ変貌させることはかなわず、今季チームを組みなおす決断をしました。
おそらく今季の齋藤仕様をさらに強めるであろう来季の名古屋。
生え抜きの安藤選手や笹山選手を切ったこともあって結果を強く求めるシーズンになりそうです。