Bリーグを徒然なるままに…

Bリーグのあれこれを書きます

挑戦者の司令塔たちを考察する(群馬編)

今回から群馬と茨城という昇格組の2チームのハンドラー、PGを見ていきます。

本当は正式発表をしてから書きたかったのですが、なかなかそれがなされないので…

 

群馬・今季のハンドラー事情

昨季のPG

笠井康平選手(未発表)

小淵雅選手(引退)

菅原暉選手(特指・未発表)

田原隆徳選手(山形へ移籍)

佐藤文哉選手(自由交渉リストに掲載)

 

このような状況です。群馬はそもそも契約の発表が最近始まったばかりなこともあり、未発表の選手も多いのですが、少なくとも笠井選手と菅原選手以外は変える方向です。

 

残すのではないかなという笠井選手のスタッツを

笠井康平選手

20-21シーズンスタッツ

57試合(スタメン53試合)

平均20分出場

得点…4.8点

リバウンド…1.5本

アシスト…3.2本

ターンオーバー…0.9本

3P成功率…33.3%

FG成功率…39.9%

CSでは7得点、4.3アシストとスタッツを伸ばしましたがそれほど目立ってよい成績を残していたわけではありません。

しかし、ハンドラーとして平均TOが1本弱と少な目であり、球離れよくタレント軍団にボールを配給できていました。スティールも1.3本とボールを奪う能力にも優れています。

そもそも群馬のハンドラーはMVPにも輝いたジョーンズ選手もこなすことが多く、球離れの良い笠井選手はジョーンズ選手の相性が良い選手だったと言えます。

ただスターティングPGとしては物足りない、と思われてたところに補強がありました。

 

五十嵐圭は若々しい

風貌のことじゃなくてですね。群馬はまだ未発表ですが五十嵐選手を獲得したようです。

41歳のベテランですが、どうでしょうか。数字を見てみましょう。

 

五十嵐圭選手

20-21シーズンスタッツ

47試合(スタメン47試合)

平均25分出場

得点…7.1点

リバウンド…2.1本

アシスト…4.1本

ターンオーバー…2.0本

3P成功率…35.3%

FG成功率…42.6%

 

スタメンクラスの実力はいまだに持っています。

平均得点を落としたのはチーム方針がぶれていたからとも言えますし、3Pシュートは昨季から改善させました。

まだ明確な衰えは見えません。

 

そして何が若いかと言いますと、五十嵐選手はプレースタイルがかなり現代化した選手です。

シュートの多くを3Pシュートが占め、2Pシュートの多くはゴール下でのプレー。

所謂3Pとゴール下という効率の良いシュートしか打たない選手なんですね。

ビッグマンとのピック&ロールからプルアップで3Pシュートを打つことを念頭に置いてゲームメイクをしていくスタイルは当たり前ですけどビックマンとの相性が非常に良いんですね。

2年前の新潟が敷いていた「戦術ガードナー」はある種の戦術の完成形だったと今でも思います。

 

で、五十嵐選手はフィットするのか

問題はここでして、五十嵐選手に合う外国籍・帰化選手が現状の群馬にいるのかという話です。

ジョーンズ選手とは合わない気がします。

五十嵐選手はさほどオフボールでは動かないのでジョーンズ→五十嵐というラインは想像がしにくい。(福田HCのころはやってたのでおそらくできないことはない?)

実は五十嵐選手はインサイドに侵入するタイプでもないのでキックアウトパスが出ることもあまりない。

新HC次第ではありますが、どうなるかは微妙ですね。

ポール・ヘナレとかお勧めよ。

もう1人のパーカー選手とは合う気がします。

富樫選手とのホットラインは記憶に新しいですし、ロールマン役を喜んでこなしてくれる選手ですのでかなり上手くいくと思います。

個人的には笠井-ジョーンズと五十嵐-パーカーその他で分けてもいい気がしますが、それだとそこまで勝てる気はしないのも事実。

残り2人の外国籍選手をどうするのか等に注目してみたいと思っています。

ガードナーが欲しい

 

茨城編は次回です。

 

 

 

広島の大型補強(延長戦)

3回に分かれるとは思ってもみませんでした。

書きたいことが溜まって土日仕事してる人間としては辛い…

とはいえ途中で投げ出すのもアレなので広島編延長戦です。

今回は動かさなかったウイング編です。

 

広島自慢?の日本人ウイング

朝山選手

マーフィー選手

田中選手

今季2,3番ポジションでプレーしたのは主にこの3人でした。(3人の1試合当たりの合計プレータイムは約70分)

この3人のうち朝山選手とマーフィー選手は残留

田中選手に関しては20-21ロスターのメンバーで唯一未発表となっています(移籍リストにも契約継続の知らせもなし)

ここにハンドラー枠にも入れるかもしれませんが辻選手も加わります。

唯一手を加えなかったウイング陣は今季どのような成績を残していたのでしょうか。

 

朝山正悟選手

20-21シーズンスタッツ

55試合(スタメン33試合)

平均26分出場

得点…8.7点

リバウンド…2.2本

アシスト…2.2本

ターンオーバー…1.2本

3P成功率…40.1%

FG成功率…43.7%

 

元日本代表の40歳はそのシュート力が錆びついていないことを示しました。

今季はオンボールプレーも目立ちましたが本質的にはオフボールの動きに優れたピュアシューターになります。

この確率を来季も維持できればオフェンス面では脅威になるはずです。

一方でディフェンス面ではいささか衰えを感じさせる場面も多かったです。

特にオンボールディフェンスでは相手の標的にされる場面もありました。

恐らくプレータイムや役割が減ってくる来季にディフェンス面での良化はあるのかが気になるところです。

 

アイザイア・マーフィー選手

20-21シーズンスタッツ

55試合(スタメン44試合)

平均24分出場

得点…9.5点

リバウンド…2.6本

アシスト…2.1本

ターンオーバー…1.8本

3P成功率…31.0%

FG成功率…39.5%

 

ルーキーシーズンだったマーフィー選手は二桁に近い平均得点を挙げました。

こちらはボールを持つことで輝くスラッシャーですが、一方でインサイドに侵入した後のフィニッシュ能力やパスアウト能力には少し課題を残しました。

マーフィー選手のアシストが伸びた上でFG成功率が上がること、つまり彼の成長がそのまま広島のチーム成績につながっていくのではないでしょうか。

 

田中成也選手

20-21シーズンスタッツ

54試合(スタメン19試合)

平均20分出場

得点…4.9点

リバウンド…1.3本

アシスト…1.2本

ターンオーバー…1.0本

3P成功率…28.4%

FG成功率…31.0%

 

こちらは初のB1で苦しんだスタッツになりました。

決して3Pの下手な選手ではないのですが(19-20シーズンは約43%の3P成功率)B1のディフェンスの強度とそもそもチームでオープンが作れなかったことでシュート面では中利苦しみました。

一方ディフェンス面では決して悪いイメージはありません。

ティールこそ少ないですが、相手のハンドラーを粘り強くマークしていました。

 

田中選手に関しては残すのか放出するのかはまだ未決定です。

2,3番の4番手というとプレータイムが多そうな気もしますが、ケネディ選手のいる広島ではオンザコート3も使えますのでプレータイムという面に関しては間違いなく短くなります(少なくとも20分はもらえないはず)。

田中選手が待遇に不満がないのであれば残すべきだとは思いますが、広島はどう動くでしょうか。

 

もう何人かの補強はあるのだろうけど…

日本人のビッグマン(必要か?)も含めもう少し広島は動くかもしれませんが、核になるメンバーは固めたのではないかと思います。

若手をかき集めている信州とは違い、広島は一見ビッグネームをかき集めたように見えて、中身はチームの今季の課題を埋めるための即戦力を集めたオフシーズンとなっています。

広島がどこまで勝てるのか、この

 

 

補強の成否の答え合わせは21-22シーズンです。

広島の大型補強(後編)

広島編

後編です。

各選手と新HCを見ていきましょう。

 

補強⓪ HCをミリング氏に

まず、指揮官を替えました。

横浜でHCをしていたミリング氏にチームの指揮を任せることになりました。

それに伴って横浜からは加藤ACも獲得しています。

ミリング氏は横浜を退団してフランスのクラブのHCに就任する予定だったはずですが…

人間性を評価した」とのことですが、契約を反故にしているわけでね…よくわかりません。

 

冗談はさておいて

手腕に関してですが、バランスアタックを好むコーチで絶対的なエースを作らず、横浜の成績を向上させました。

日本人で見てもチェンバース選手や森川選手が二桁に近い平均得点を記録しましたし、生原選手や森井選手が3Pシュートを積極的に放ちました(なお成功率)

特に森井選手は試投数が大きく増加しています。

このことからもハンドラーにもある程度のシュートアテンプトを求めるコーチであると思われます。

広島は得点を取れる日本人選手が多くおり、帰化選手のケネディ選手にも得点が期待できます。

ミリングHCとしては手腕が発揮しやすい環境なのではないでしょうか。

補強① ハンドラー 寺嶋選手、青木選手、辻選手

まずは今季の懸案事項となっていたハンドラーたちです。

辻選手を含めると3人を補強しました。

柳川選手をどう扱うかによりますが、このポジションの補強は今後ないのではないでしょうか?

辻選手については以前

baskba28.hatenablog.com

書いたので省略しますが、残りの2人については考えてみましょう。

 

寺嶋良選手

20-21シーズンスタッツ

55試合(スタメン55試合)

平均22分出場

得点…8.1点

リバウンド…2.3本

アシスト…3.2本

ターンオーバー…1.3本

3P成功率…31.3%

FG成功率…44.6%

 

得点力という面では申し分のない補強となりました。

京都はハンドラーを外国籍選手に任せる場面も多かったので、さらなるスタッツの向上も見込めるかもしれません。

ただ、彼も3Pシュートはシーズンで80本しか試投しておらず、ここの部分には課題を抱えています。

ミリングHCがここをどう扱うかは注目点の一つです。

 

青木保憲選手

20-21シーズンスタッツ

37試合(スタメン0試合)

平均6分出場

得点…1.7点

リバウンド…0.4本

アシスト…1.1本

ターンオーバー…0.4本

3P成功率…35.0%

FG成功率…42.6%

 

3番手からのステップアップの狙った移籍になります。

こちらは3Pシュートを打つことにためらいはないタイプの選手です。

ただ、まあそれだけです。

青木選手が戦力として化けたら広島のCSは現実的になってくるはずです。

 

補強② 外国籍選手 メイヨ選手とジャクソン選手

次に外国籍選手です。

 

ニック・メイヨ選手

20-21シーズンスタッツ

55試合(スタメン55試合)

平均33分出場(リーグ1位)

得点…21.5点(リーグ1位)

リバウンド…8.1本

アシスト…2.2本

ターンオーバー…1.8本

3P成功率…41.8%

FG成功率…52.2%

FT成功率…82.2%

 

言わずと知れた得点王です。

北海道で長いプレータイムを与えられ、絶対的エースとしての役割を全うしました。

3Pシュートも40%を超える高確率で沈めており、千葉の3番手に甘んじた19-20シーズンからは大きな成長を見せています。

また、彼の場合は自分でボールを持ち続けるタイプではないので高いシュート力を生かしてフィニッシャーに徹することができればチームとしては大きな戦力となるでしょう。

 

チャールズ・ジャクソン選手

20-21シーズンスタッツ

60試合(スタメン60試合)

平均26分出場

得点…15.6点

リバウンド…8.8本

アシスト…1.6本

ターンオーバー…2.2本

3P成功率…0.0%(試投数は1本)

FG成功率…65.9%

FT成功率…56.8%

 

こちらは、3Pシュートが打てないことがどうしても気になります。

エチェニケ選手との併用はしにくいです。

むしろエチェニケ選手と同じタイプの獲得をして2人で1人分の働きを期待してるのかもしれません。だとしたら贅沢な補強ですが。

貧乏クラブが黙っちゃいないぞ。

なので予想される外国籍選手の運用は(ケネディ選手含む)

パターン①

ケネディ選手、メイヨ選手、エチェニケ選手orジャクソン選手

のオンザコート3

パターン②

メイヨ選手とエチェニケ選手orジャクソン選手

パターン③

ケネディ選手とエチェニケ選手orジャクソン選手

この3パターンが予想されます。

当然ジャクソン、エチェニケ両選手を並べることもできなくはないですが

スラッシャータイプの寺嶋選手はこれだとプレーがしにくくなるはずです。

インサイド専任の外国籍選手を2人抱えるというのは併用がしにくいというリスクがあると思いますが、果たして。

 

そしてオーバータイムへ…

長くなったので続きは次回です…

 

 

ウイングの日本人編です。。。

広島の大型補強(前編)

大型補強に打って出た広島について書こうと思います。

今オフの主役は来季リーグを席捲できるのか。

前後編のうちの前編です。

20-21シーズンの広島

19-20シーズンにB2を制した広島は、田渡凌選手やアイザイア・マーフィー選手などの有力選手の補強に成功。

勢いそのままにB1リーグに乗り込みました。

 

20-21シーズン成績

9勝46敗

平均得点…76.0点(16位)

平均失点…86.8点(19位)

 

特にディフェンス面でうまく行かず、リーグ最低勝率に終わりました。

そのあと今回の大型補強に至るわけなのですが

低迷の原因はなんだったのか

補強はそれを補えるものなのか

について考えてみようと思います。

 

低迷の原因(というか気になること)

低迷の原因と言われると「全て」となりそうなのですが、

オフェンス面で気になったのが3Pシュートの試投数が少ないこと(リーグ19位)

これは3Pシュートを打たないエチェニケ選手の影響もあるのでしょうが、日本人のボールハンドラーの3人(田渡選手、岡本選手、古野選手)が3Pをほとんど打っていませんでした。

3人の中だと古野選手が一番打っているのですが彼も1試合平均だと2本を切っています。

3人で55試合で187本です。

これがどのぐらいの数字かと言いますと千葉の富樫選手が1人で365本

信州の西山選手が1人で361本です。

…まあこの2人は多すぎますのであまり参考にはなりませんが

ただ、岡本選手と古野選手は3P成功率が35%程度はあります。

新加入組の辻選手と同じぐらいです。

ですので、いくらなんでも少なすぎ。

もう少し打てるはずですし、打っても特に問題はなかったはずです。

広島の問題点の大きなところはここにあって、

日本人PGが全員点が取れなかったという点です。

3人の平均が

古野選手…3.9点

岡本選手…3.0点

田渡選手…2.9点

です。

もちろん他にもこんなチームはあります。

が、そのようなチームには絶対的な外国籍のスコアラーか、1試合12~13点程度を平均してとってくれる日本人エースの存在が必要になってきます。

恐らくエチェニケ選手にその役割を期待したのでしょうが

 

エチェニケ選手

20-21シーズンスタッツ

55試合(スタメン55試合)

平均32分出場

得点…17.1点

リバウンド…9.8本(3位)

アシスト…2.0本

ターンオーバー…2.0本

3P成功率…0.0%(試投数2本)

FG成功率…62.0%

FT成功率…74.1%

 

決して悪いスタッツではありません。

琉球のクーリー選手と大差ない程度の成績ではあります。

ただ、絶対的な得点源にはなれなかった、というのが実情かなと思います。

 

ということで広島のオフの課題は

・得点力のある日本人ハンドラー

もしくは

・絶対的な外国籍エース

のどちらかの獲得でした。

 

動きをおさらい

そんな広島のオフの動きです

移籍リストに掲示

古野選手

岡本選手

田渡選手(三遠に移籍)

小澤選手(今季は愛媛にレンタル)

森山選手

谷口選手

ネパウェ選手

 

まず、ハンドラーの3人は全て載せました。

再契約もありえますが、個々の部分は強く課題として認識しているのではないでしょうか。

 

残留

柳川選手

マーフィー選手

トーマス・ケネディ選手(日本国籍)

エチェニケ選手

朝山選手

 

逆にエチェニケ選手は残しました。

さらにハンドラー枠では柳川選手も契約しました。

前述の3人とは異なり3Pシュートを多投する柳川選手の契約はチームスタイル変更への意思表示なのかもしれません。(多分そこまで考えてはない、地元の選手だし)

 

加入

寺嶋選手(京都)

チャールズ・ジャクソン選手(渋谷)

辻選手

青木選手(ともに川崎)

ニック・メイヨ選手(北海道)

 

補強はこんな感じです。

課題でいうと日本人ハンドラーとして寺嶋選手と青木選手(もしかすると辻選手もそうかもしれない)

得点力のある外国籍選手としてメイヨ選手を獲得しました。

ジャクソン選手も得点力はありますが、エチェニケ選手とプレーエリアが被っている点が興味深いです。

 

次回は各選手を細かく見ていきます(多分)

若き信州は台風の目になるのか

本日は広島について書こうと思っていたのですが、どうしても信州の補強が気になったので記事にします。

信州はHCを変えなかったということでスタイル的には昨シーズンを踏襲していくはずです。

そこに昨季強みにはなっていなかった日本人のウイング型の選手を補強してきました。

 

現在の信州のロスター

残留

西山達哉選手(PG)

栗原ルイス選手(SG)

三ツ井利也選手(SF)

ヤン・ジェミン選手(SF)

ウェイン・マーシャル選手(C)(外国籍)

アンソニー・マクヘンリー選手(PF/C)(外国籍)

新加入

岡田侑大選手(PG/SG)←富山

前田怜緒選手(SF)←滋賀

 

ここに外国籍選手をもう1人と、大崎選手らのハンドラーを何人か加入させるような形のロスターになりそうです。

日本人ウイング(ヤン・ジェミン選手は日本人扱い)はこれでおおむね確定でしょうが、特筆すべきはその若さです。

三ツ井選手…27歳

栗原選手…24歳

前田選手…23歳

岡田選手…22歳

ヤン・ジェミン選手…21歳

中堅的な年齢なのは三ツ井選手のみ。あとは全員が若手と言われるカテゴリーに属す選手となりました。

今回はこの5人を中心に信州の来季を占ってみようと思います。

 

岡田侑大と前田怜緒

岡田選手

20-21シーズンスタッツ

57試合(スタメン22試合)

平均22分出場

得点…9.7点

リバウンド…1.7本

アシスト…2.1本

ターンオーバー…1.2本

3P成功率…43.8%

FG成功率…44.9%

この補強は大きいと思います。

少なくとも去年同じポジションでプレーしていた選手からはかなりアップグレードしたといえます。

富山では役割的にシューターとしての振る舞いが求められる場面も多かったですが、それをハイレベルにこなしました。

ただ、本質的にはハンドラーの選手です。富山でも終盤はかなりハンドラーとしてオフェンス参加している場面が見られました。

(現状は)ハンドラーが西山選手のみの信州に加入したことでさらなる活躍が期待できると思います。

昨季キャリアハイだったアシスト数がさらに伸びると信州としては面白いかな。

 

前田悟選手と岡田侑大選手が両方流出した富山…

「お金がない」と嘆く声はよく目や耳にしますが、どちらかを残すことはできたのでは?と思います。

 

前田怜緒選手は昨日述べたことが割とすべてかなと思います。

今日のこの状況を見るともしプレータイムや役割の増加を求めての移籍ならいささか厳しい環境かなと思います。

若い選手が揃っているので優先的に育てる理由もほとんどないですし…

ただ信州にとっては+な補強であることに疑いの余地はありません。

ヤン選手や三ツ井選手などとの競争相手にはうってつけですしね。

栗原選手を含めた4人を食う可能性だってあるわけです。

 

3人目の外国籍選手は

今季の信州は残留が決まった上記の2人に加え、ジョシュ・ホーキンソン選手をロスターに加えて戦っていました。

3人の役割的には

マクヘンリー選手…ハンドラー

ホーキンソン、マーシャル選手…インサイド

という感じでしたが、3人とも3Pシュートを多投していました。

おそらく3人目の外国籍選手は

インサイドで体を張ってプレーできる

・3Pシュートを積極的に打つことができる

ここ辺りを求めていそうです。

こんなのどこのチームもそうか。

千葉を退団したショーター選手はないんじゃないかなあ。日本人ビックマンが獲得できるなら話は違いますが、だとすると岡田選手が宙ぶらりんになります。

 

信州は上を食えるのか

広島が大型補強に動いている今年のオフシーズンですが、信州は堅実に戦力アップに成功しつつあるように見えます。

それと同時に若返りにも成功したことはかなり大きいことでしょう。

移籍の激しいリーグですがこの若いメンバーを核にして中長期的な計画を信州は立てているはずです。

そのためには今年結果を出す必要があると思います。

今年結果を出して岡田選手や前田選手といった移籍組を繋ぎとめておけるかが信州の未来を決定づけるのではないでしょうか。

6/7 移籍市場と雑感

6/7を中心に移籍市場とその感想をつらつら書いていきます。

 

前田悟選手は川崎へ移籍

記事にもした前田選手は川崎への移籍が決まりました。

単純にいえば辻(大塚)→前田なわけですが当然同じ役割をするわけではないと思います。

前田選手はおそらくスタートからの起用になるでしょうし、日本人の2ガード戦術を多用していた今季から来季は戦術変更もありそうです。

もしくは宇都宮や千葉みたくハンドラー型の外国籍選手を獲得していくのか。(少なくともカルファニ選手の退団は決定してますし)

 

前田怜緒選手が信州に移籍

20-21シーズンスタッツ

57試合(スタメン32試合)

平均16分出場

得点…4.8点

リバウンド…1.8本

アシスト…1.0本

ターンオーバー…0.6本

3P成功率…30.0%

FG成功率…48.8%

 

…おそらく栗原選手や三ツ井選手、ヤンジェミン選手のところに当てはめたいのでしょうが、うーん。

若さを買って上記の3人と競争でしょうか?

オフェンス参加の多かった今季の3Pの試投数が少ない(70本)のも今季の信州のチームカラーには合致していないように見えて、気になります。

FG成功率は悪くはないのでそれを信州で活かせるとよいと思います。

が、信州としては蓋を開けないとわからない補強かもしれません。

 

林翔太郎選手が滋賀に移籍

1年で手塩にかけて育てていた前田選手に出て行かれた滋賀は代わりに林選手を獲得しました。

 

林翔太郎20-21シーズンスタッツ

54試合(スタメン44試合)

平均22分出場

得点…5.3点

リバウンド…2.1本

アシスト…1.4本

ターンオーバー…1.0本

3P成功率…31.2%

FG成功率…39.0%

 

ポジションこそ似ていますがインサイドでのプレーの多い前田選手と異なりどちらかというとシューター的な振る舞いを今季の林選手はしていました。

滋賀はHCも代わり再構築に入るのでしょうが、この入れ替えはスタッツ上はダウングレードのような気もします。

林選手にとってはHC交代後、無茶苦茶(直球)なバスケをしていた新潟から移籍できてほっとしていることでしょう。

(福田HCのバスケ、ひいてはあんなことになりましたけど庄司HCの新潟は面白かったんですけどね個人的には。)

 

青木保憲憲選手が広島に移籍

広島についてはまた後日書きます。

恐らく広島はPGのポジションは総入れ替えですね。

 

今日の動きは以上ですかね。

今日ではないですが、琉球が田代、今村の両選手を残留させたのは大きいと思います。

あの2人は琉球の隠れた要でしょう。

 

 

変革の名古屋D

今季の名古屋について語ってみようと思います。

 

齋藤拓実選手と狩野祐介選手

今季の名古屋の象徴となったのはこの2人でしょう。

共に滋賀から今季移ってきた齋藤選手と狩野選手は申し分のない成績を残しました。

 

齋藤選手

20-21シーズンスタッツ

55試合(スタメン55試合)

平均26分出場

得点…12.5得点

リバウンド2.1本

アシスト…5.7本(5位、日本人1位)

ターンオーバー…2.2本

3P成功率…35.3%

FG成功率…50.1%

文句のつけようがない成績です。特にFGが50%を超えている点は特筆すべきものだと思います。もし名古屋がCSに出れていたら、ベスト5に名を連ねていたのではないでしょうか?

ドライブで積極的にインサイドに切り込み、得点を重ねる齋藤選手が安藤選手を「消した」要因の一つだったかもしれません。少なくとも齋藤選手によっていくつかの役割は失ったでしょう。

 

狩野選手

20-21シーズンスタッツ

56試合(スタメン40試合)

平均19分出場

得点…5.3得点

リバウンド0.9本

アシスト…1.3本

ターンオーバー…0.4本

3P成功率…47.5%(1位)

FG成功率…46.5%

高確率で3Pシュートを沈め、3Pのタイトルを獲得しました。

キャッチアンドシュートを多用したため、ターンオーバーも少なめです。

狩野選手に限らず、齋藤選手からのキックアウトパスなどから3Pシュートを多投する試合が今季の名古屋は増加しました。張本選手などはその恩恵を大きく受けたと言えるのではないでしょうか。

外国人選手の3Pの本数も

19-20シーズンが

4人合計…13/52(25%)だったのに対し

20-21シーズンは

3人合計…152/404(37.6%)にまで変化しました。

インサイドにドライブしていく齋藤選手に合わせた仕様に外国人の陣容も変化させていたことがわかります。

そしてこれらの改革を講じた結果名古屋はCSこそ逃しましたがチームとしてはこれまでで最高勝率となる32勝24敗の成績を残しました。

恐らく名古屋は今季の戦いに一定の手ごたえを感じているはずです。

では、それによって割を食ったのは誰なのか。

 

笹山貴哉選手について

19-20シーズンスタッツ

38試合(スタメン36試合)

平均24分出場

得点…9.7得点

リバウンド2.5本

アシスト…4.4本

ターンオーバー…1.9本

3P成功率…33.5%

FG成功率…38.4%

 

20-21シーズンスタッツ

38試合(スタメン1試合)

平均15分出場

得点…5.8得点

リバウンド1.5本

アシスト…3.0本

ターンオーバー…1.1本

3P成功率…31.5%

FG成功率…35.6%

まず一人目は笹山選手。

齋藤選手の獲得もあり、控えに回りました。

結果、確率も含めスタッツを落としてしまいました。齋藤選手とは異なりFGの試投の半分以上が3Pシュートというのが特徴で自分からドリブルで切り込むことの少ない選手ですが、差し引いても低確率なことが今季は気にかかりました。

何よりも今年は38試合出場にとどまり、怪我にも苦しめられました。

おそらくプレータイムを求めての移籍ということになるでしょう。

 

安藤周人選手について

19-20シーズンスタッツ

39試合(スタメン39試合)

平均27分出場

得点…11.6得点

リバウンド2.1本

アシスト…2.5本

ターンオーバー…1.5本

3P成功率…33.2%

FG成功率…41.0%

 

20-21シーズンスタッツ

51試合(スタメン42試合)

平均25分出場

得点…8.9得点

リバウンド2.3本

アシスト…2.0本

ターンオーバー…1.2本

3P成功率…35.9%

FG成功率…42.7%

二人目、と言いたいところですが、こちらは少し興味深いスタッツです。効率という面を見れば昨季よりは向上を見せました。

ただ、名古屋の試合を見ている人からすればかなり物足りなく映っていたのではないでしょうか。安藤選手に関しては試合中に「消える」ことが大幅に増えたように感じていました。

そして安藤選手はA東京への移籍が決まりましたね。

 

新たな時代へ

名古屋は17-18、18-19はCSへの出場も果たしていました。

中堅どころの有望な若手を抱えたチームと言われていたように感じます。

その中心だったのが笹山選手、安藤選手、張本選手や中東選手であったように感じます。

しかしあの頃有望だった若手は今や中堅どころの年齢となりました。

彼らはチームを常勝軍団へ変貌させることはかなわず、今季チームを組みなおす決断をしました。

おそらく今季の齋藤仕様をさらに強めるであろう来季の名古屋。

生え抜きの安藤選手や笹山選手を切ったこともあって結果を強く求めるシーズンになりそうです。